私は昔からフィギュアスケートのファンです。
私は音楽やダンスが好きなのですが、
フィギュアスケートはスポーツにしては
そのようなアーティスティックな要素が多いということもあるのでしょうね。
プラス、心理的な影響がモロにでやすいので、そこに興味があるのだと思います。
(自己分析(笑))
他に好きなスポーツのテニスも同様ですね。
競技が気持ちにすごく左右されやすいところが見ていておもしろいです。
そろそろまたフィギュアの季節がやってきましたね。
日本でもフィギュアの人気はとても高いですが、
アメリカでもすごく高くて、けっこう小さな大会も放映されていたので、
以前アメリカにいたときにはよく好んで、フィギュアの大会の番組を見ていました。
好きな選手はたくさんいるのですが、
今日の私の注目の人は、アメリカのフィギュアスケーターのジョニー・ウィアーです。
それまでそんなにフィギュアスケートに興味のなかった人でも
オリンピックでジョニーの演技に釘付けになった人も多いと思います。
特にファンから送られた薔薇の冠をうれしそうにかぶった姿から、
日本では「ジョニ子」(!)と親しみをこめて呼ばれているようです(笑)
オリンピックでの彼の演技は群を抜いていて、ノーミスの本当にすばらしいものでした。
彼のワールドがそこに展開されていて、ためいきがでるような美しさで感動しました。
もしかしたら金メダル?!と思うほどの完成された演技でした。
しかし点数は驚くほど抑えられ、メダルどころか入賞もできなかったのです。
その時、フィギュアは採点競技なので主観は入ってしまう部分もあるでしょうから
ある程度はしかたないとしても、
この時は信じられない!絶対におかしい!と誰もが感じたと思います。
何か政治的なニオイがする…そんな感じでした。
点数が表示されると会場全体からブーイングが起こると、
ジョニーは「まぁまぁまぁ抑えて抑えて」と会場のブーイングする人たちをやさしくを鎮めるしぐさをしたのです。
本当は自分自身も納得いかなかったと思うし、
メダルがもらえるかも!という演技をしたのに、
あの点数ではもう入賞さえできなかった…、
それなのに、自分の気持ちを抑えて、観客に笑顔で答える姿には感激しました。
エキシビジョン(入賞者が出演できる競技後のショー)でジョウニーはレディガガの曲で演技していたので、
もしジョニーが入賞すれば、ジョニーファンのレディガガが応援にかけつける予定だったと聞いました。
それが叶わず残念でした。
新しい採点システムを研究し、どうやれば勝てるかを計算し、オリンピックに臨み、金メダルを手にしたライサチェックと
メダルを逃したけれど、誰とも戦わず、自分の表現したいものをただせいいっぱい表現したジョニー。
ふたりは同じアメリカの代表で以前からライバルでした。
このオリンピックはそんな彼らの明暗をわけた試合だったわけですが、
でもどうなんでしょう。
メダルをゲットするかどうか、そういった勝ち負けではなく、
ジョニーはもっと何か大きなものを人々に与えたと思うし、
ジョニーも人々から得たのではないかと思うのです。
それをまさに証明するようなサイトを友人が教えてくれました。
糸井重里さんのほぼ日刊イトイ新聞です。
ほぼ日刊イトイ新聞
http://www.1101.com/johnnyweir/index.html
以下にすてきな糸井さんとジョニーの対談の一部を掲載させていただきますが、
ぜひみなさんもチェックしてみてくださいね。
こういう対談ものは、やはり質問のセンスによると思うのですが、
糸井さんのすばらしい質問によって、非常にクオリティの高い対談になっています。
ほほえましくて、深い内容で、感動ものです★
糸井さんといえば、今からたぶん30年近く前に
「会うって贅沢」というコピーを書かれたと思うのですが、
当時、本当にそうだよなぁ、なんてすてきなコピーなんだろうと感激したのを
今でも憶えています。
会うって本当は贅沢なんだよね。
普段、私たちはあまりそのことに意識を向けていませんが。
日々すごくありがたいことが私たちに起こっているんだと思うと
毎日がとても貴重でかけがえのないものに思えます。
さて、以下が糸井さんとジョニーの対談の私が特に感動した部分です。
ぜひ糸井さんのサイトをチェックしてみてくださいね。
糸井さん:あなたは誰とも戦ってなかったと思う。
ジョニー:ええ、戦ってません。
滑っているときは、雲の上というか、
もう、べつの世界で滑っていて、
アートを表現するには
そうするしかないと思います。
糸井さん:絵を描く人が戦わないように、
オリンピックっていう競技の場で
戦いでないものをあんなに感動して見たのは
ぼくにとって本当に驚きでした。
これをみんなが見るべきだと思ったし、
こういう人がいなきゃいけないと思って
興奮したのを、いまでも覚えてます。
ジョニー:氷の上で、最高の演技をするときはもう、
すべての感覚と感情が
魂(ソウル)からあふれ出してくる。
フィギュアスケートはぼくの表現であり、
芸術であり、絵であり、ファッションであり、
ぼくのすべて、ぼくの言葉なんです。
ぼくはそこで魂から伝えます。
ジョニー:どうせ一度きりの人生なんだから、
笑って生きたいなと思ってます。
そりゃつらいこともありますけど、
笑顔でいれば、あとで強くなれると思う。
人生で起こるすべてのことは、
その人になにかをもたらすと思うんです。
だから、悲しいときも、泣いてるときも、
いろんなことが台無しになっても、
泣いてるときも、笑顔で。
いつも笑顔でいることが大事だと思う。
ジョニー:ぼくが代表できるのは
「ジョニー・ウィアー」だけ。
誰かにについていくことには興味がなくて、
自分がついていきたいなと思うのは、
自分の魂とハートだけです。
ぼくにはそれで十分。
誰かに受け入れてほしいとも思わない。