避難指示区域(原発の20キロ圏内)では、
家畜と犬や猫などのペットの数を加えると少なくとも数十万匹の動物が、
飢え死またはその寸前の危機にさらされているのだそうです。
アメリカのCNN放送では、原発から数キロ離れたある村で、
置き去りにされた動物たちの悲惨な様子を放送しました。
首輪に縄が掛けられているために、自分で餌を探すことができずに、
骨と皮だけになった犬が取材記者が与えたお弁当を食べる姿が映されました。
住民全員が避難して誰もいなくなった村には、
餌もなく餓死して路上で腐敗していく犬の死骸や、
自分でロープをかみ切ってさまよう犬の姿などが映し出されていたそうです。
この映像を撮影した日本の記者は、
この犬に餌は与えたものの、首輪は解かなかったそうです。
CNNは「日本人は他人のものに手を出してはならないという意識が強いため、
つながれた犬を離さない」と伝えました。
こうした状況でも原則を守る日本人の文化、まじめさのせいで、
首輪を解いてあげれば、自分で餌を探して生き延びるかもしれない犬が、
目の前で飢え死にしてしまうかもしれないのだと報道されました。
もちろん他の人の犬に勝手に手を出してはいけないのだと思います。
でも今は生きるか死ぬかの非常時です。
飼い主さんの住所はわかるはずだし、
調べて知らせてあげることもできるでしょう。
もちろん報道する方は、
保護活動を目的として現地に入るわけではないので、
手出しはしないというポリシーなのかもしれません。
でも。
もしかしたらそこに救える命があるのに、
もしルールに縛られているせいで、
手出しができなかったのだとすれば、非常に残念です。
また、CNNによると、
日本政府が動物たちに飼料を与える動きはみられないそうです。
それは日本にはどこの官庁にも
動物保護に関する規定がないからだそうです。
ルールに従う日本人、ルールがなければ自分からは何もしない、できない日本人…。
「最近のニュースから②」でも
日本人のやさしさゆえ、自粛しすぎてしまい、
日本経済が落ち込んでいるということを書きましたが、
ここでも日本人の規則やルールに従うまじめさゆえ、
貴重な動物たちの命を奪ってしまっているのではないでしょうか。
この大震災ではみんなで助け合い、協力しあう
日本人の美徳、すばらしさが世界中で報道されてきました。
私たちの内側にある才能、長所、美徳が表れ出てきたことは、すばらしいことですし、
自分たちの良さを再確認できて、本当によかったと思います。
台湾メディアも、
被災地の警察署にたくさんの現金を届け出る日本人の姿に感銘し、
「日本の東北地方を襲った津波は建物をのみ込んだが、
日本人の美徳をこわすことはできなかった」報じたそうです。
天災に見舞われても正直な姿勢を貫く日本人、
大震災によって日本人の真面目で強い精神力がクローズアップされてきています。
このような真面目ですばらしい一面に気づくと共に、
ほかにもこのように真面目すぎて不幸をまねていている面もあるのだと気づき、
変化、成長していくことも大切なのではないでしょうか。
ほかの視線で見てみると、気づかされることもあります。
気づくことにより成長していくことができるのです。
CNNによると、
そこにはボランティアの人たちが行き、
原発の危険にも関わらず、保護活動をしているのだそうです。
すばらしいです。本当に頭が下がります。
私も非力ながらも、何かに力になればと思い、今日このブログを書いています。
そして今日も動物たちのために祈りを捧げたいと思います。
よかったらみなさんも祈ってください。
命の重さはみんな一緒です。
命を大切にする社会をみんなで創っていきたいものですね。
ひとりがみんなのために。みんながひとりのためにーそんな社会を。